人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「アメリカ最南端に立って」フロリダの旅・見聞記 ⑬

念願のキーウェストへ (その2)

 キーラーゴから2時間、いよいよ待望の「セブンマイルブリッジ」が見えてきた。名前の通り7マイル(11.2km)に渡る大橋は、フロリダキーズを象徴する顔なのだ。この橋は3年前に新しく付け替えられ、素晴らしいハイウェイに生まれ変わっている。右側には古い橋がそのまま残っていた。(掲載の俯瞰撮影の写真は進行方向と反対側からの撮影)「キーラーゴ」の舞台として、今でも頭に強烈に焼き付いている風景はこの橋だったのだ。

「アメリカ最南端に立って」フロリダの旅・見聞記 ⑬_c0047906_07325350.jpg

 いま走っている新しい橋は、車から見晴らしがよいように欄干を低く設定されている。前方はまっすぐにどこまでも橋が伸び、左右の窓から見えるのは海と水平線と空のみ!この単調な風景に感動する。「オーバーシーズハイウェイ」という言葉の持つ意味をつくづくと実感しながら走った。

午後2時前にやっと最終目的地であるキーウェストに着いた。途中寄り道したために、6時間半かかったわけだ。島内はかなり広く、飛行場もありメインストリートは土産物店やレストランが多く観光客で賑わっていた。

「キャプテンボブス」というシーフードレストランで昼食を摂ることにした。注文したのは車エビの油炒めをスパイスの効いたソースで食べるメキシコ風料理だ。大きな皿に頭の取ったエビがドカーンと盛り上げている。野菜サラダとパン(ドーナツとあいのこみたいなパン)とソーダ水、それに税金とチップを加えても僅か1300円だから安かった。先生の注文した車エビのビール蒸しを食べさせてもらったらこれも大変美味しかった。

腹ごしらえができたので、車を駐車場に入れて島内の探索に出かけることにした。観光地だけあって、コンク・ツワー・トレインという遊園地の汽車と同じような乗物や巡回バスなどがたくさん走っていた。しかし10分ほど歩くと皆無口になった。とにかく暑いのだ。北回帰線に近いこのアメリカ本土最南端の昼下がりは、ものすごい暑さだった。

「アメリカ最南端に立って」フロリダの旅・見聞記 ⑬_c0047906_13242359.jpg

島にはビーチがあるが、砂浜近くには藻が多く、楽しみにしていた海水浴もやめにした。グラスボートによるサンゴ礁の遊覧には興味があったが、時間の都合で断念して島内をドライブして引き上げることにした。

「アメリカ最南端に立って」フロリダの旅・見聞記 ⑬_c0047906_13245157.jpg

 このキーウェストに来て、ここは観光地として有名なだけでなく米国本土最南端の基地として、非常に重要なところに位置しているということを思い知らされた。近くに海空軍のキャンプ地があり、レーダードームや無線のアンテナ群が見えている。また空には白い大きな飛行船が雲の間にまに見え隠れしている。観光用や宣伝用でないことは明らかである。海峡を隔ててキューバとは眼と鼻の先である。一見平和なこの素晴らしい楽園は、一触即発の危険と背中合わせで同居しているのだ。


by ja3cf | 2020-04-25 13:26 | 【特別編】
<< 「アメリカ最南端に立って」フロ... 「アメリカ最南端に立って」フロ... >>